導かれて、放れられない
「フフ…地獄になんかさせないよ!」

そして天聖は嫌がる桔梗を連れ、マンションに帰った。
「桔梗」
「私を解放してください」
「無理」
「私は、天聖さんといられません」
「二度と放れないって言ったでしょ?」
「でも、まさかパパとママを殺したなんて知らなかったから」
「でも、俺達は元々から愛し合ってたんだよ!」
「………」
「愛される覚悟してっつたよね?」
「………」
「放れないって、桔梗…言ったよね?」
「天聖さん……」
「傍にいるって」
「……嫌…」
「俺の望みは何でも叶えてくれるんでしょ?」
「助けて……」

「あぁ…もう、ダメだ………」
「え……天聖さ……」

「監禁だ……!」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あれから、どれくらい経ったのだろう。
天聖に監禁された、桔梗。

「おはよ、桔梗…」
「………」
「声、出ない?」
頷く、桔梗。

「だって、桔梗が悪いんだよ。
また外に出ようとするから……」
天聖が仕事中に、マンションから出ようとした為、天聖に一晩中抱かれていた、桔梗。
叫ぶように、声を出し続けた為かれてしまったのだ。

「ごはん、食べよ?
おいで、抱っこするから」
おとなしく、天聖にしがみついた。

「可愛い~」
ご飯も食べさせてもらい、風呂も天聖に洗ってもらう。
さすがにトイレだけは自分で行っているが、その他は天聖が全て世話をしているのだ。

桔梗は、天聖の所有物のようになっていた。
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