とろけるような、キスをして。



「はい。召し上がれ」


「美味しそう……いただきます」



 出来上がったオムライスは、たっぷりのチーズが入ったクリームソースがかかったもの。


卵はふわとろで、ツヤツヤしている。


 スプーンで掬うとまだ湯気がすごくて、息を吹きかけて覚ましながら食べた。



「ん!……おいひぃ!」


「そっか、良かった」



 食べながらなんて行儀が悪いけれど、その美味しさに口を開かずにはいられなかった。


私の好きなモッツァレラチーズを使ったクリームソースが濃厚で、ふわとろの卵とバターライスに絡んでとても美味しい。



「私より料理上手いじゃん」


「そんなことないよ。みゃーこのためだから頑張っただけ」


「嬉しい。すっごい美味しいよ。疲れてるのにありがとう」


「それを言うのはこっちの台詞。忙しくて疲れてんのに毎日弁当作ってくれてありがとう。毎日弁当を楽しみに仕事してるよ」


「ふふっ、それは大袈裟」


「いやマジだって」



 久し振りに一緒に食卓を囲むこの時間が、とても幸せで。


ここ一ヶ月の忙しさがあったからこそ、この幸せを感じられているのかと思うと感慨深いものがある。


 食べた後、修斗さんはおずおずとソファで私の隣に座ったかと思うと、一つ触れるだけのキスをして。



「久しぶりに一緒にいられるし、みゃーこと一緒に風呂入りたい」



 耳元で囁く声に、思わず赤面する。


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