とろけるような、キスをして。
確かに、自分で"お触り禁止令"を発令してからというもの、朝のキス以外、特に触れていない。
まぁ、忙しくてそれどころじゃなかったというのもあるけれど。
「……だめ?」
耳を甘噛みされて、「ひゃっ……」と思わず声が出る。
胸が高鳴るものの。どうしても、今日は。
「……ごめん。今日、アレの日なの……」
「……」
呟くと、修斗さんは一瞬固まった後、焦ったように私から離れた。
「ごめん気付かなかった。体調とか大丈夫?ホットミルク作ろうか?風呂沸かすよ。俺シャワーで済ませるし、気にしなくて良いからゆっくり風呂浸かっておいで」
そう言うと、急いでお湯張のボタンを押してそのままホットミルクを作ってくれた。
……え、優しすぎない?
あまりのその素早さと手際の良さに、パチパチと瞬きを繰り返す。
今まで月のものが来た時は私がよく腹痛と腰痛に悩まされるため、すぐに気が付いては"ゆっくり家で寝るように"と送ってくれることがほとんどだった。
それですら優しいなあと思っていたのに。
今回はどうやら症状が軽めなのか、あまり腹痛も腰痛もせずに調子が良かったから来たんだけども。
まさか修斗さんがこんなに手際良く、私のためにいろいろしてくれるなんて。
ありがたいけれど、やはり迷惑だっただろうか。