とろけるような、キスをして。

とろけるような、キス




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「かんぱーい!」



 季節は夏本番の七月。


ロトンヌを貸切にして、今日は大和さん、雛乃さん、修斗さん、そして私の四人でちょっとしたパーティーを開いていた。



「それにしても、誕生日が八日違いって。そんなとこまで仲良くなくてもいいのに」



 私たち四人で囲むテーブルの上には、大和さんと雛乃さんが作ってくれたご馳走が。そしてその中心には、大きなバースデーケーキが。


【Happy Birthday! Syuto&Miyako】


とチョコレートで書かれたプレートとたくさんのいちごが目立つ。


 先週、修斗さんの誕生日があり、今週末は私の誕生日だ。


お互い忙しくてなかなかお祝いできず、そんな時に大和さんと雛乃さんがパーティーの計画をしてくれた。


 生徒たちの間で噂が一度広まってから、デートには特に気を遣うようになった私たち。


田宮教頭ももちろん噂を知っており、


"お二人ともいい大人なので、事実か否かを追求するつもりも咎めるつもりもありません。しかし深山先生は今年度三年生の担任です。あまりこのような噂が広まってもらっては保護者の方からの心配や苦情にも繋がりかねません。そこのところをよくお考えください"


と釘を刺されてしまった。


 そのためどこかに出かけるとしたらどうしても遠出しなくてはならず、それだと時間が足りない。


しかし家で作るにもマンネリ化してしまいそうで、悩んでいたところだった。


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