とろけるような、キスをして。



「指輪、一緒に買いに行こうな」


「うん」


「四ノ宮先生にも、ちゃんとお礼言いに行こうな」


「うん。来週、晴美姉ちゃんも誕生日祝ってくれるって言ってたから、その時に」


「それって俺も行っていいやつ?」


「ふふっ……晴美姉ちゃんに聞いてみるね」



 こんなに幸せでいいのだろうか。


緩む口元を隠しきれない。



「みゃーこのご両親にも挨拶に行かないとな」


「じゃあ、それは今度の命日に」


「そっか。もう来月か」



 先日は、一人でお父さんとお母さんのところに行った。修斗さんと付き合ったとか、晴美姉ちゃんにはもう足を向けて寝られないとか、大和さんと雛乃さんが大好きだとか。


終始、明るい話しかしなかった。他愛も無い話がほとんどだ。


二人もそんな私を見て、少しは安心してくれただろうか。


 もうすぐ、二人の命日がやってくる。


今度は修斗さんと二人で会いに行こう。


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