とろけるような、キスをして。
「美也子!」
「……久しぶり。晴美姉ちゃん」
「久しぶりー!もう!あんた全然連絡くれないから心配してたんだよ?元気そうでよかった!」
「ははっ、便りがないのはなんとかって言うでしょ。私は大丈夫だよ」
晴美姉ちゃんは、私より七個年上の三十二歳。
もう何年も付き合っている彼氏さんである広瀬さんと今日、結婚する。
晴美姉ちゃんはふんわりとしたプリンセスラインが綺麗な、純白のウエディングドレスに身を包んでいた。
長いヴェールがとても神秘的で、晴美姉ちゃんの綺麗な大人の女性の雰囲気とピッタリだ。
奥二重に施されたラメの輝くアイメイクも相まって、息が漏れるほどの美しさ。
ドレスの裾辺りのレースには花柄がたくさんあしらわれていて、用意されているブーケはかすみ草をメインに作られた華奢なのに存在感のあるとても綺麗なもの。
この日のために伸ばしたと言っていた艶々のロングヘアにもブーケと同じかすみ草が編み込まれていて、どこぞの童話のお姫様のようだ。
チャペルで愛を誓う姿をこの目で見ることができるのが、とても嬉しい。
「晴美姉ちゃん。今日は招待してくれてありがとう」
「それはこっちの台詞。今日は遠いところわざわざ来てくれてありがとう。疲れたでしょ」
「ううん、大丈夫」
晴美姉ちゃんの綺麗なドレス姿を見たら、仕事の疲れなんてどこかに飛んでいった気がする。