とろけるような、キスをして。



 温かくて、とても気持ちが良い。



「……ん」



 夢の中からフッと浮上した意識。


重たい瞼を開くと、霞む視界の中ですぐ目の前に何かがある事に気が付く。


ふわりと香る甘い香り。


しばらく頭が働かなくて、ボーッとしていた。



「───……っ!?」



 そしてしばらくして、ようやく今の状況がおかしいことに気が付く。


叫びそうになるのを、慌てて口を手で押さえて防いだ。



 ……な、なんで私、先生と一緒に寝てんの!?



どうやらここはベッドの上。


 私に、と言ってさっき案内された部屋には無かった、ダブルサイズのベッド。


……ここ、多分先生の寝室だ。


だから先生の夢なんて見たんだ。


 目の前では私を抱きしめるようにして寝息を立てている先生の姿。


人生で初めての腕枕を、こんなところで経験してしまうとは。


どうして私が先生と一緒に寝ているのか。



 えっと……確か、テレビを一緒に見ていて……お風呂に入って……、───あ。



 眠る前のことを思い出して、一瞬にして顔を真っ赤に染めた。



……私じゃん!絶対私がくっついたからじゃん!



 まさか自分がそんな大胆なことをするとは思っていなかったため、恥ずかしさで今すぐ逃げ出したくなった。


確かに先生の甘い香りは私の好きなものだけど、まさかそれを求めて擦り寄るなんて。


 先生が起きた時、どんな顔で目を合わせれば良いのかわからない。


恥ずかしい!恥ずかしすぎる!


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