とろけるような、キスをして。
「……してもいいなら、みゃーこの腰抜かすけど」
そう言って私の身体をソファに寝かせて、その上に馬乗りになる。
ぺたんこになった髪の毛を後ろに掻き上げた先。
露わになった両目が、熱を帯びていた。
「……いいよ」
そう答えたのは、一種の気の迷いか。
ずっと信頼してきた人からの告白に、絆されたのか。
それとも。この人の視線とその真っ直ぐな想いに、心を撃ち抜かれたのか。
さっきのキスに、凝り固まった心をとかされてしまったのか。
……私は今、この人に恋をしているのだろうか。
「意味わかってる?俺もう止めらんないよ?我慢しないよ?……いいの?」
修斗さんの瞳に映る自分の表情が、モノクロの世界でも赤く染まっていることがわかる。
決して、雰囲気に流されたわけではない。
だって、痛いくらいに高鳴る胸は、この人を欲している。
───キスしたい。
抱きしめられて、手を絡めて。そして、キスしたい。そう思った。
これは、私の意思だ。
「……いいよ」
それは、始まりの合図。
すぐに触れた唇は、今度はかさついておらずとても滑らかで。
柔らかな感触が、私の鼓動をどんどん早める。
私の両手に自分の両手をぎゅっと絡めた修斗さんは、そのまま私に噛み付くようなキスを繰り返した。
それに応えようと、唇をうっすらと開く。
その隙間を待ってましたと言わんばかりに、熱い舌が滑り込んできた。