茨ちゃんは勘違い
それは、まるでガチャ○ンとムッ○を足して、松井○喜で割ったような顔で、まだ某漫画のジャ○イ子とか花○さんの方が可愛いんじゃないかと思える程、男女問わず生理的に受け付けないキモ顔だった。

中学の時、散々見慣れた顔だったが、これからまた関わりを持つ事になると考えるだけで、百合絵の引きつり笑いは止まらなかった。

「あはは…あはははは…茨ちゃん、御早う…」

百合絵が心の底から絶望加減が滲み出た挨拶をすると、まるでグリム童話に出てくる魔女のような笑顔で、茨は返した。

「百合絵ちゃんと、また同じ学校だなんてラッキーとしか言い様が無いねやっぱ私達って、世界に通用する程親友の絆が深いのかもね」

…ハートを付加するのを止めて欲しい…。

取り敢えず、その笑顔も…

百合絵は自分がもしも神だったら、真っ先に茨に対して裁きの雷でもって制裁を加えるのにと、心の底で呟いたが、表面上繕う事にした。

「…あは、は、は…うん、だよねー、私もそう思…」
「ってか、マジこの学校イケメン多いんですけどーやば、アタシどーしよ十六年守った貞操奪われちゃうかも」

百合絵が言い終わらない内に、茨はいつもの言うだけ周りを不快にさせる脳内トリップを開始した。

キャアキャア喚く茨に、新しく同級生になった何人かはドン引き。

百合絵は握り締めた拳を、いつ解放してやろうか迷う程、血圧が上がっていた。
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