茨ちゃんは勘違い
「どうだった?」
「上手! 凄い! 茨ちゃん、本当に歌が上手かったんだね」
「でしょ?」
 茨はふふんと胸を張ると、マイクを木更津に手渡した。
「はい、あんたの番」
「ええ!? ぼ、僕はいいよ……」
「いいから歌いなさいよ」
「ええええ……」
 木更津は渋々リモコンを手に取ると、多少もたつきながら予約する。
 曲が流れ始めると、木更津は座ったまま、マイクを両手で握った。
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