茨ちゃんは勘違い
「白石さ~ん!!」
 面倒くさそうに振り返ると、そこには茨と桜の二人が手を振ってこちらに駆け寄ってきた。
 心底微妙な表情を浮かべる百合絵に、二人はおかまいなしに話しかけてくる。
「ユリユリってば、部活サボリ~? 駄目よ、不良になっちゃうわよ~」
「ちが、ゴホッゴホッ、……風邪がひどくて……」
「大丈夫? 彼氏か何かに迎えにきてもらえば?」
「……すいませんね、彼氏いなくて……」
「ご、ゴメン。白石さん可愛いからてっきりもういるのかと……」
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