茨ちゃんは勘違い
 平謝りする桜を力のない眼差しで睨みつけると、百合絵は踵を返し、のそのそと帰路についた。
「あ! 待ってよユリユリ~! じゃあ、私もサボる~」
「私も~」
 お前たちはサボってもええんかい。
 何だかもうどうでも良くなった百合絵は、返事もしないで重い身体を早く家に落ちつけようという事だけ考えて、学校を後にした。
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