君にとってのハッピーエンド、僕にとってのバッドエンド
すぐに既読になったことが嬉しくて、僕は「これから一緒にご飯に行かない?」と誘った。するとすぐに「いいよ〜!」と可愛いスタンプ付きで送られてくる。

「やった!」

一旦キャリーケースを家に置いてくることにして、僕と若菜はお店の前で待ち合わせすることになった。

若菜と僕は幼なじみという関係だ。幼稚園から高校までずっと一緒、クラスもずっと一緒だった。若菜は優しくて、とても可愛くて、いつも僕にニコニコ笑いかけてくれた。

『優二くん、今日の遠足楽しみだね!いつもより早起きしちゃった』

『優二くん、このお菓子おいしいよ。一つあげる』

『優二くん、またクラス同じだね。嬉しい!』

そんな可愛い幼なじみと一緒にいて、好きになるなと言われても無理だろう。気付いたら僕は若菜に心を奪われていて、若菜の笑顔や言葉に胸を高鳴らせていた。

でも、告白してフラれてしまった時のことが怖くて、仲のいい幼なじみに戻れないと思うと辛くて、想いを口にすることはできなかった。
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