ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
エリナは元気です!
 月の明るい、とある夜。
 飲食店が多いスカイヴェン国王都のメイン通りはまだまだ賑やかだが、住宅が並ぶ区域は家路を辿る者ばかりである。活気に溢れる昼間とはうって変わって、人通りも途絶がちになってきた。
 小さな子どもたちは、おやすみの挨拶をしてベッドに向かう時間だ。

 そんな中、本日の夜勤任務についている王都の警備隊長である狼のルディは、いつものように王都全体を巡る警備を行なっていた。

 本来ならば、ふたりひと組で行う任務なのだが、彼の場合は別だ。
 銀狼の頭を持つ凛々しいルディは一見狼の獣人に見えるが、本当の姿は妖精獣と呼ばれる巨大なフェンリルなのである。そのため、身体能力に優れた者が多い獣人の中でも並外れた体力を持っていて、その規格外の警備っぷりについていける者がいない。

 王都を守るという重要な任務に就いている警備隊員たちは、それぞれが優れた武人でもある。だが、その彼らでさえ、フェンリルの足取りに合わせるのは難しいのだ。
 なにしろルディときたら、ほんの数時間で広い王都を駆け抜けて、その間にも常に不審者がいないかと目を光らせ、さらにはなにか困りごとはないかと目につく人々に声をかけて回るのだ。
 こんな彼は王都の人々にとっては心強い存在だし、悪事を企む者たちは尻尾を巻いて逃げ出すしかなくなる。
 このような、精鋭の警備隊員10人分以上のとんでもない警備ができるのは、もちろん隊長のルディだけである。
 王都の人々にとっては、頼りになる狼隊長の存在は王都の安全の証なのだ。
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