ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「どうかな、妖精獣のフェンリル氏は王都の見回りで今夜も忙しそうだし……あらよっと」

 こちらも、可愛らしい外見にそぐわないキレのある身のこなしで、クー・シーは身を翻した。
 夜の訓練の途中でルディに会って言葉を交わすことは、フェアリナと彼とのコミュニケーションを深めるためのフォーチュナからのアドバイスであるが、エリナの楽しみでもあった。

「大変なお仕事よね……えいっと」

「わあ、なかなかやるなあ、エリナ!」

 そう言いながらも余裕で身をかわす子犬を見て、白い耳に白い尻尾の猫はため息をついた。

「うーん、もう少しなのになあ」

 最初のうちは、屋根の上を走るのがやっとだったエリナだったが、今では屋根の上での連続宙返りなどという、まるで軽業師のようなアクロバティックな動きも危なげなくできる。

 そして、エリナは身体が日に日に軽くなっていくのを感じていた。
 クー・シーの話によると、もしかすると空を飛ぶこともできるようになるかもしれないというので、彼女は少し期待をしていた。
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