冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

旅行

あっという間に1ヵ月が経ちとうとう出発の日を迎えた。

結局響さんは旅行のため前倒しで働き、働き、働き…働き詰めとなっていた。
夜帰ってこれないことも何回かあった。
その度に米山さんは着替えを取りに来てくれた。
ここまで無理しなくても、と思ったが周囲に新婚旅行中に行くと漏らしたから決行せざるを得なかったのだろう。



「さぁ!玲奈。待ちに待った旅行だ!準備は出来てる?」

「もちろんです。けど…響さんは大丈夫ですか?行けるんですか?」

「もちろんだよ。このために1ヵ月頑張ったんだから…。誰にも文句は言わせない!」

響さんの目はキラキラとしていた。

なら、精一杯楽しんでもらおう。
リフレッシュも大切だもの。

空港から飛行機でウィーンを経由してバルセロナまで15時間。
やはり遠かった…でもファーストクラスってこんなにも違うのね。
なんで快適なの。横になって寝れるって素晴らしい。

私たちは飛行機でゆっくりしたこともあり、到着後から動き出した。

まずはどうしても見たかったサグラダファミリアにいく。何百年もかかると言われていたけど近年の建築技術により近い将来完成するらしけど、間近で観るとそのスケールの大きさに驚かされた。なんて素敵なんだろう。天才と言われるガウディの所以がここにあると圧倒され言葉が出なかった。

ふと隣にいる響さんを観ると彼もサグラダファミリアを見上げ、何も言えずにいた。

内部のステンドグラスも光の反射がとても素敵。陽の光が動くたびに床に反射する光が景色を変える。

ここを見れただけでスペインに来てよかったと思った。

私たちは何時間もかけ観光し、サグラダファミリアを満喫した。

その後バケットを買い公園へ向かった。
ここもとても有名な公園で、街を一望できる。
絵画のように色鮮やかで私はまたも目を奪われた。

心満たされ、私たちは手を繋ぎ通りを歩きながらホテルへ向かった。
途中目に止まったお店に入り、響さんと雑貨を見たり、おやつを食べたりもした。

ホテルへ向かうとそこはとてもオシャレで洗練された感じのところだった。

部屋に入ると…キングサイズのベッドが1台。

あ……

「ごめん、部屋を1つしかとってないんだ。
夫婦で頼んだから別にしてとは言えなくて。」

「私なら大丈夫ですよ。気にしないでください。一緒に暮らしてるんですから遠慮は無しです。お金ももったいないですしね。」

「ごめんな。誓って何もしないよ。」

「連れてきてもらっただけでありがたいです。今日は本当に興奮して眠れなさそうです。連れてきてくれてありがとうございます。」

「明日は美術館とかにいってから国内線で移動したいんだ。あとは向こうでゆっくり過ごそうと思ってる。」

「はい。」
< 136 / 205 >

この作品をシェア

pagetop