冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
私がマンションに到着し5分で両親のタクシーが到着した。

タクシーから降りた途端、父が私に平手打ちしてきた。

「なにやってるんだ!なんて事してるんだ!なぜ親に言わずにこんなことになってるんだ!」

父はマンションのエントランスで怒鳴っていた。
コンシェルジュもどうしたものかと様子を伺っていた。

「ごめんなさい。とにかく部屋に行こう…。」

私は頬を押さえながらエレベーターへ案内した。
コンシェルジュには会釈し、大丈夫だと頷いた。

13階のボタンを押し、エレベーターは上昇していく。
私たちは無言で13階に着くのを待つ。

部屋の鍵を開けて中は案内する。
ここがどんなに贅沢な家かなんて目にも入っていないのだろう。
2人はズカズカとリビングへ入ると、
「説明しなさい!!!」
とまた怒鳴られる。

私は何で説明したらいいのかわからず床に正座していた。
「ごめんなさい。」
床に頭をつけ謝る。何も言い訳はできない。
私が勝手に決めて結婚したのだから。
契約とか関係ない。
私が決めて結婚したことに間違いはない。
私は頭を上げられず床に頭をつけたまま。
なんて言ったらいいのかわからない。

「玲奈!頭を上げなさい。説明しなさい!なんて事してるの。」

いつも冷静な母でさえも怒っている。

「玲奈!どう言うことか聞いてるんだ。俺たちの娘は気がついたら嫁に行ってるのか!なぜ説明できないだ!」

私は泣きながら説明できずに萎縮してしまっていた。

「もういい。お前とは金輪際縁を切る。母さん、帰ろう。お前はもう娘とは思わない。二度と顔を見せるな!」

「お父さん…」

「まさかお前からこんな裏切りを受けるとは思わなかった。ガッカリだ。お前ももう私たちの娘だと思うな。そもそもそう思っていたんだろうな。だから言わずに勝手な事したんだろう。これからも好き勝手に生きたらいい。」

「ごめんなさい…」

2人はもう玄関へ向かっており、私は立ち上がることもできずしゃくり上げながら泣いていた。

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