冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
俺は手続きと一緒に売店で書いてあったものを多めに購入した。
洗濯になかなか来れないためだ。

部屋へ戻ると不安そうな玲奈。

「1人は寂しいな、って。早く家に帰りたいな。」

「そうだな。俺も1人で帰るのも、1人で部屋にいるのも寂しいよ。早く帰ってきてくれ。」

また手を握ると玲奈は笑っていた。

「響さんにそう言われると嬉しい。私の居場所はもう響さんのところなんだって思うから。」

「あぁ。あそこは俺たちの家だからな。」
俺は寝たままの玲奈をギュッと抱きしめた。

「玲奈、普通のパンツしか売ってなかったよ…。」
俺はおどけて言うと、玲奈は顔を赤くして笑っていた。

「もう!当たり前じゃないですか。」

俺たちは笑いあった。

「響さん、そろそろ出ないと帰りの飛行機に乗り遅れます。」

「明日帰るよ。午後からの会議に間に合えばいいから。」

「え?大丈夫ですか?」

「大丈夫。米山にさっき連絡したから。本当の夫婦になるってこの前伝えたら喜んでたんだ。米山も心配してたよ。スケジュール調整するって言ってた。このままあいつが影武者で仕事してくれたらいいのにな。」

「そんなわけにはいかないですよ。米山さん怒りますよー。」

「目に浮かぶな、それ。」

俺は8時の面会時間まで玲奈に付き添った。
点滴のおかげなのか夕飯も少し食べられていた。

「また明日の朝来るからな。いい子で寝てろよ。」

「はーい。」
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