冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
洋服を私の部屋のクローゼットにしまい、響さんへのプレゼントも部屋に置いてきた。

私は夕飯の支度に取り掛かろうとしていると響さんがバスルームから出てきた。

「風呂洗ったよー。」

「えぇ!響さんはしなくていいんです。私の仕事ですから。」

「何言ってるの。家族は協力するものだよ。」

家族…

契約ではなく、そう言ってくれる響さんに心が温かくなる。

ありがとう…




「じゃ、私もご飯作り始めますね。」

私はご飯を研ぎ、マカロニサラダを作り始めた。同時に味噌汁の準備。あとは買った西京漬の魚を焼くだけ…。

あっという間に出来上がった。

「お風呂から出たよ〜。」

「ちょうど良かった。出来上がりましたよ。」

「響さん、ビール飲みます?」

「ありがとう。玲奈は飲む?」

「ちょっとだけ…いただきます。」

「はいどーぞ。」

2人で向かい合わせになり食べ始める。

「玲奈、このマカロニサラダ、卵入ってるの?」

「はい、半熟気味のゆで卵入れるのが好きなんです。苦手ですか?」

「ううん。すごく美味しい。普通あまり入らなくない?」

「そうですかね…でも半熟気味のは少ないのかな?」

「絶妙で美味しい!」

「良かったです。この買ったお魚も美味しいですね。奮発した甲斐ありました。」

「うん、美味しい。」

響さんはグイグイとビールが進む。

「ツマミにチーズか何か出しますか?確か入ってたような…」
私が立ち上がると響さんは、
「いや、いいんだ。俺つまみとかなくてもご飯の時に飲めるから。気にしないでいいよ。」

「そうですか?」

「うん。ご飯お代わりある?」

「あります。よそいますね。」

「ありがとう。」
 
あっという間に食べ終わってしまった。
お皿を下げていると響さんがキッチンへ入ってくる。

「玲奈、洗うからお風呂入っておいで。洗うって言っても食洗機にいれるだけだけどさ。鍋だけ洗っておくよ。」

「え?いいですよ。やります。」

「まぁまぁ、今日のところは任せてよ。信用ならない??」

「そんなことないです。ありがとうございます。」

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