冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
翌朝からまた朝おにぎりを作り、家事をして、翻訳の仕事をして夕飯を作って…という生活がまた始まった。

何より翻訳の仕事が楽しくてたまらない。
前後の流れをみて、こんな解釈かな、とかこんな言葉の使い方がいいかな、とか考えることが楽しい。
作者の意図を考え何度も読み返し私が日本語訳をつけることを誇りにさえ感じる。
つい楽しいことだから時間を忘れる様に没頭してしまう。

千波から仕事が早いからもう少しやらない?と言われるがどうしてもこれ以上になると翻訳が雑になると思うし、何より家事が手抜きになることだけは避けたいので増やせない。

でも1年経って契約が終わったら、頂けるのならこんな仕事をどんどんやりたいなと思う。
そのためにもスキルアップを図らないといけないとは思う。

英語漬けの日々から離れてしまいまだまだわからないことだらけ。

そのため最近は映画をよく観る様になった。映画を字幕で観ると耳で聞いたのとは違い、こんな解釈するのか、と思うことがたくさんある。

響さんと暮らし始めた頃は毎日何したらいいのかわからなくなり図書館にばかり行っていた。

でも今はとても充実している。

夕飯も響さんと週の半分くらいは一緒に食べ、食後に話したりしている。

時には映画を観たりもする。
響さんは英語が堪能なので映画は字幕で観ることにしている。
私もその方がありがたいので一緒に観れることも嬉しい。

映画を観た後お互いに感想を話すことも楽しい。

響さんといると何もかも楽しく感じる。

でも契約は後8ヵ月…
8ヵ月したら終わりの関係。
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