❤︎キミのことが好きすぎて、病んじゃいました❤︎【2】
その思いでさっき菫くんが乗ったエレベーターに近づくけれど、扉は開かない。

「……せめて、隠れないとっ……!」

なんの行動を取るのが一番なのかはわからないけれど、大人しく捕まってしまったら、またなにかされるに違いない。

ボフッ

「っ!」

「っと……相変わらず薄暗れーな」

クッションに見事に着地をした、綺麗な顔をしている人。

「ん?キミ、あれ?菫の恋人?」

「ち、ちがいますけど……監禁されてるんです!!助けてください!!」

必死に助けを訴えていると、あることに気がついた。

菫くんに、なんか似てる……。

「んー。無理だね」

「っ……」

もう嫌だっ……。

スマホもない、囚われてる、知らせることもできない……。

「菫がここまでとは……な」

「え、え……?」

「菫は母さんから虐待を受けててね〜。感情とか、ないのかと思ってた」

「えっ……」

ぷるぷると身体が震え出した。

ぎゃく、たい……。

感情がない……?

菫くんは、学校であんなにいつもにこにこしてたのにっ……?

「あ、あなた、誰なんですか?!」

「菫の兄貴、楓でーす」

お、お兄ちゃん……?!

……。

「あ、あなたっ……!お兄さんなのに、感情なんてなくなってたとか、虐待とか、なんで簡単に言えるんですか!?」

なぜだろう。苛立ってきてしまう。
< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop