❤︎キミのことが好きすぎて、病んじゃいました❤︎【2】
「……」

「菫くん、こっちにきて」

そう言って手を伸ばす。

すると菫くんはハッとした顔をして、なにかに取り憑かれたかのように私のところへトボトボと歩いてくる。

そんな菫くんをぎゅっと抱きしめる。

そして、この言葉を言いたかった。

「大丈夫、だよ、菫くんには、私がついてるから……」

「……そんなこと言って、僕から離れてくくせにっ……」

「いなくなんない、大丈夫だよ」

そう言って菫くんの背中をさする。

「なんでそんなこと言えるの?ずっと脱走しようと、してたのは、そっち……なのに……」

「もう、しない。絶対。」

キミを守りたいんだ。

「僕のこと、好きなわけでもないのに……」

「……それでも……キミが、大事だから……」

知ってるんだ。

私、本当は、菫くんのことが、好きだったんだって。

周りの推しで付き合っちゃったから、なんとも想われてないって、自分の気持ちに蓋をしちゃってたって、知ってるんだ。

「ほっとけないんだ……菫くんのことは、なんか……」

そう言って菫くんに笑いかけた瞬間、菫くんの表情が壊れて、ポロポロと涙をこぼした。

私の目からも、頬を伝って涙がポロポロと落ちる。

「……ずるい……ずるいよぉ……なんで、いつも苺は、優しくてぇ……でも、僕のことを好きになってくれない……ずっと僕だけ……」

『そんなことないよ』って言いかけたけど、それは言っちゃだめな気がして、言葉を閉ざした。

いつか、キミにまた恋をしたら、この言葉を伝えたいな。

「……僕から、一生離れないんだよね?来世も、ずっと」

「う、うんっ……離れないよ」

隼人くんには振られちゃったしっ……。

「なら、いいっ……僕、信じるっ……でも、楓と……喋ったんだよね?」

「う、うんっ……ちょっと、だけだよ……」

菫くんの声が、一気に低くなったっ……。

その瞬間から、ぷるぷると足が震えだす。

「……ちょっと『切る』」

「……へっ?」

き、る……?

「な、なにを……!?」

すると菫くんはどこからかハサミを取り出して、服越しに自分の腕にハサミを押さえつける。

「こういうこと」

「だ、だめだよ!!や、やめてっ……!?」

必死にそう言っても、菫くんは無視をする。

私の足は震え切って動かなくなってしまったため止めたいに止めれない。

そして菫くんは長袖をまくる。

見えた腕には、たくさんの切り傷があった。

「えっ……?」

思わずそんな自分の声が漏れる。

それは、虐待で、やられてしまったの?

それとも、自分で傷つけたの……?

聞きたいけれど、怖くて聞き出せない。

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