シンママ穂乃香の悩める再婚(26歳のwedding続編)

人を見る目

それからスイーツの食べ放題の
お店に行く。

.。『あの誕生日ケーキは
篤志が頼んだんだろうか?』
目の前にキレイに美しく可愛らしく
美味しそうに並んだケーキを
見ながらそんな事を考える。

いやいやいや、今日は唯華の
御祝い、御祝い‼
気持ちを切り替えなくちゃ‼

昔話に花が咲き濃い時間を
過ごした。
茉菜も入れて
放課後5人で集まってカラオケ
や映画楽しかったなぁ
カフェでお喋りも三、四時間は
当たり前だった。
こんな風に
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ

「穂乃香の男運の悪い癖はね」
唯華が口を開いた。

穂乃香も美結も顔を上げる。

「優しい子だからだよ‼」
夏紀も大きく頷いて
「そうそう、欠点であり
長所、何でも許す癖がアイツ
(陽仁)をダメにするんだから
もうアイツに関わっちゃダメ‼」

美結は静かにケーキをパクつく
そう美結は痩せてるのに
甘いの大好き

「え、うん離婚したし
大丈夫だよ
もう、関わらないよ。」


「又、陽仁みたいな
浮気男捕まえたりして」
ケラケラと夏紀が口を挟んでくる。

(;゚;ж;゚;)ブブッと
吹き出したのは

ゴホッゴホッゲホッ
美結だった。


夏紀は水、水と騒ぎ出し
ゴクッ

ゴクッ

「ど━━━━したのよ
落ち着きのあるアンタが・・
誰も取らないから
ゆっくり食べなよ~」

「う、うん。」

穂乃香の様子で美結は
覚ってしまっていた。
それを見た穂乃香は

アハハハ
「美結・・・ゴメン」
小さく美結の耳元で呟いた。

「私コーヒーもらってくる。
皆もいる?」
穂乃香がテーブルを立つ

「私も行くよ」
唯華も一呼吸置いて立ち上がる。

「私カフェオレ砂糖抜き‼」
夏紀がうねりながら美結の顔を見て

「美結は?」
と聞いてきた。
フルーツタルトに夢中な美結は

「じゃあ私カプチーノ」
美結の好みも変わらない

30を目の前にした穂乃香達も
4人顔を合わせれば
時間が戻ったように制服を
着て、連れ立って歩いていた
あの頃に戻れる。


するとガタイのいい男性が
穂乃香達の席にやって来た。

「龍哉遅━━━━いぃ‼」
唯華がパァァァァっと嬉しそうな
顔をする。
龍哉と呼ばれた男性は

「私の旦那になる三浦龍哉です。」
紹介された彼は照れながら
「三浦です。ペコッ」

成程、せっかちな唯華が見初めた
だけはある、いい人そうだ。
消防士をしている彼に
唯華が一目惚れ
まっすぐそうな性格が初対面でも
よく分かる。
ガッチリした体と白い歯
昔から唯華は筋肉に弱い!!
唯華が惚れる理由だ。

後は押せ押せ‼
唯華は全身でアタック
使えるものは惜しみなく使う唯華は
そんなふうに狙いを定め
ストレートに猛アタック!!

42歳の彼は28歳の私達に恐縮
していた。
初婚でない事を気にして
私達に迄気を使ってくれていた。

42歳と言うけど余り歳が離れて
いるようには見えない。
背が高くカッコいい部類に
入るとおもう。

高校を出てから確実に
時間は流れている。
それぞれの場所が私達にはある
唯華の結婚は穂乃香にそう
思わせていた。

そんな仲間達と22:00に
解散、子供がいるのは穂乃香だけ
個々で独身気分は終了

志穂の元へと我が子を想い母になり
急いで足を向ける。

志穂はグッスリ眠っていて、
体重も増えて順調に育っている。

「ドオッコイショっとお」

伯母さんもスッカリ志穂に慣れて
可愛がってくれる。

頬に当たる志穂の柔らかい
顔にツイ頬擦りを繰り返す。

小さい暖かい手は穂乃香の首に
しがみつく。

「さて、がんばるよ、志穂
ママと二人生きていこう。」

志穂を抱きながら
今までの甘さを後悔する。

そんな穂乃果香を慰めるように
志穂の暖かい温もりが
穂乃香を包む。
夜遅いからと伯父さんの
運転手さんが送ってくれた。



おじさんは70を過ぎているから
夜は運転をしない。
運転手さんに丁寧にお礼を言って
マンションの前で下ろしてもらった。
マンションの薄灯に照らされ
腕を組、足でジノジノと足の爪先を
揺らすスーツ姿の背の高い男性

篤志が立っていた。

近寄る穂乃香に気付いた彼は
顔を上げて

「・・・穂乃香あれは違うんだ」
と突然呟いた。

「は?
聞こえね━━どーでもイイけど
・・・もう来ないで

私、篤志を呼びつけたこと無いし
いつサ、篤志呼んだっけ!?
あなたに気を使わせ無いように
充分気をつけてた‼
あんな嘘言わないでよ!


貴方の会社で変な噂が立てば
陽仁にも迷惑がかかる
陽仁とはもう関わりたくない
篤志も、あんな可愛らしい人が
いるのに何で、来るの‼」

さつき言えなかった文句を
グダグダと言ってやる。


「ゴメン
穂乃香に何言われても
仕方が無い‼
あれは君に迷惑がかから
無いように、嘘を言った。」


「・・はぁ💢‼ そうでスカ!!
でも、もういいわよ!」


何時もの様に志穂を抱く穂乃香
から志穂を受け取ろうと
篤志は両手を出して志穂を
抱こうとした。

「もう止めて‼
私はあなたを狙わない」

穂乃香にキッパリ拒否られた。

「初婚の若い子が趣味なんでしょ
あんな事、会社の子に言わないでよ
私が男漁りしてるようで
凄く嫌‼
男に飢える暇も無いくらい
子育ては、忙しいの‼」


「だからあれは嘘なんだよ‼」

「ああ、はいはい‼」

「穂乃香~信じてくれ」

篤志はマンションに入ろうと
する穂乃香の腕を掴み
抱き寄せた。

「何すんの‼
離してよ!」
穂乃香は本気出して篤志の
腕を振り払おうとした。
外れ無い篤志の目を見て

グネグネしながら身を捩り篤志の
腕から離れようとする。

篤志のスーツからはほんのりと
ジャスミン系の香りがした
彼女の香水?
と思えば( ー̀дー́ )チッ💢!

クッサ

「臭い、臭い離れて離れて」
穂乃香はシッシッと手ではらう。

「ん?くさい?」
篤志は腕をクンクン
今だと穂乃香は思ったが
抱き寄せられた腕は可成の力、

「オンナの匂いがする
物凄くいや‼」

穂乃香は篤志の目を睨みつけ
ドンドンと突き放した。

怯んだ篤志は踏ん張って
ポケットから1枚の紙を出して

「俺の所は記入済み
俺の本気‼」
と婚姻届らしき紙を穂乃香に
手渡した。

「何を言っても穂乃香には
嘘つき呼ばわりされる。
だから俺は本気‼

穂乃香、愛してる‼
勿論志穂も、俺の子と
思ってる。」

穂乃香は突然の突撃に
驚きながらもポカ──ン
頭の整理が追いつかない

「だってさっき人の子は
嫌だって・・・言ってたじゃん。」

穂乃香の前に立ちはだかる篤志は
「志穂は、俺の子だよ。
人の子じゃない‼
人の子って思え無いほど
志穂は可愛い。

志穂が生まれた時から
俺は、父親と思ってる。」

「篤志~・・・そうだったの
知らずに怒っちゃって
ゴメン~
私ってば早とちりだね━━━テヘ

とか言うと思うなよ
このぉー女たらし、
力込めて顎からストレートに
グ👊━━━━━━💫パンチ」

「いて、イテテテ」
ようやく篤志の引き寄せていた
腕が離れた

「いちいちウザ!
又、篤志脅して婚姻届書かせ
られたーとか言いふらされても
困る。」

穂乃香は捨て台詞をして
マンションへと帰ろうとした時
志穂が目を覚まし

「パァパ、パァパ」
と篤志の方へ小さな手を伸ばした。

「喋った」
と篤志と穂乃香はビックリ‼
喜びも束の間
篤志は穂乃香に気を使いながら
志穂にニッコリと微妙な
微笑みを送る。


「俺、明日辞表を出す」
イテテテと顎を抑えながら篤志は呟く。

「え、‎!!辞表‼」

「うん、あの会社に居るから
こんな事がある!
だから辞表と引き換えに
あの暴言は許して欲しい。」

「し、仕事どうするのよ‼」


「今のプロジェクトが終われば
俺が居なくても大丈夫‼
アルバイトを掛け持ちしながら
仕事探すよ!
穂乃香と志穂ぐらい食べさせて
行けるくらい頑張る

結構貯金もある
半年、一年くらい食べて行ける。
穂乃香に全部渡すよ。

だから
だから
何があっても離れたくない‼
俺から離れないで‼」


「パァーパ パァパ」
志穂は体をブラして篤志に
行こうとする。

篤志の伸ばした手を穂乃香は
今度は振りほどけ無かった。

"志穂が篤志を恋しがってる。"


穂乃香の腕から、志穂は篤志に
飛びついた
志穂は、寝起きなのに超ご機嫌

篤志も気をよくして
「よぉし志穂帰ろう
パパが抱っこしてやる。」

なんか有耶無耶にしょうとしてるし


何事も無かった様に篤志は・・
志穂と御機嫌にエレベーター
に乗り
「ホラ、穂乃香早く‼」

そう言われ足を早める穂乃香が
いる。
.。う~ん、これが唯華の
言ってるダメな所か‼
許してしまいそうになるwuー
唯華から又なんか言われそうだ。

そう思いながら穂乃香も

エレベーターに乗り込んだ。
まだ篤志の言ってる事を
信じた訳じゃない。



志穂を寝かせつけた篤志は
風呂に入る前に

「ゴミ袋ある?」

「うん、あるよ!
何につかうの?」

穂乃香はおもむろに指定のゴミ袋を
手渡すと
バリバリと袋を広げ、脱ぎ捨て
ていたスーツを
ぐるぐる丸め放り混んだ!

「えっえっ、皺になるよ!」
穂乃香が慌てて引っ張り出そうと
手を入れると、篤志も穂乃香の
手を握って来た。


「穂乃香を嫌な気にさせた
スーツは、穂乃香も二度と
見たく無いだろ
捨てる‼」


「は?いやいや上等なスーツ
じゃない、勿体ないよ!」

「いいんだって‼
穂乃香を失うことが
一番怖い‼
一番嫌だ‼」


「だけど・・・」


「いいんだって‼
言い訳になるけど
あの誕生日は、プロジェクトに
関わる奴が計画したんだ
本当は後三人来る予定で
だけど皆用事があって、まあ12月
だからね、皆色々あるか!
仕方ない、結局、彼女と
2人っきりになる事になって
故意で誕生日を2人で
祝った訳じゃないんだよ。」

「そう言う事にしとく」
不機嫌そうに言う穂乃果

「今の穂乃香は信じて
くれないか‼ ア、ハハハハ…
暇つぶし程度に聞いてくれ
弁解は苦手なんだ。」

「う・・ん、着替え出しといた!
ゆっくり風呂入って。
私には手を出さないもんね
だから私も手ださないよ、
お風呂安心して入って
誰も篤志を捕まえたり
しないよ。」


「ア、ハハハハ…💦
ヤッパ根に持っタイプ?」

「‘`,、ハッ‘`,、’`,、
そだね、あれは一生忘れられ無い
セリフかな‼」


「・・ '` '` '`💦
そ、そうか!!
じゃあ入って来る。」

篤志はこうやって何時もやって
来るんじゃん

一緒に住もうと言ってくれた
反面
バツイチ子持ちは嫌だと
女の子には話している。

それは、私を守る為の嘘だと言った。
何でそんな嘘をつく必要が?

穂乃香は洗濯物を畳みながら
自問自答を繰り返す。

彼の本気は?
篤志の出してきた婚姻届?
出すと言った辞表?
穂乃香が婚姻届の空欄に書くには
勇気がいる。

唯華の彼の決断もきっと
こんな風に悩まれたのかな‼

バツイチって初めの結婚より
勇気がいるよね!
同じ失敗はしたくない
慎重になるのはあたりまえだ。


まだ篤志を信用した訳じやない
心がそう叫んでいる。
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