このまま惚けて、それから






「未羽、実は結構俺のこと好きだよね」

「っ、うざいしそういうこと言うやつだいたい思い込みだしモテないし絶対陰キャだから!顔だけで許されようと思うなよばぁかばぁか!」

「俺もすごい好き」

「"も"って何?なんも言ってないしポンコツ!」

「帰ろ。俺は一刻も早く二人きりにならないと死んでしまう病になった」

「話聞いてる?」

「俺のこと好きって言ってたとこは聞いた」

「言ってない!」

「まあまあ。何喋っても可愛いだけだよ未羽」




好きなんて言ってない。心の中では言ったけど、青に直接言ってない。どこまで見えてるの、聞こえてるの。


ストーカーの本質、なめてた私がバカだったの?




適当にあしらわれて、ギュッと手を握られる。


青の手って手錠みたいだ。
青が満足するまで離してくれない。


ちなみに多分、今日この後は部屋に入っても離してくれなさそう。何となく、わかる。



「未羽の黒歴史は俺を好きになったことだね。ドンマイ、結婚しよ」



あーあ、今日も私の負け。




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