託宣が下りました。
「ところでお姉さんは増えると思う、リリ?」
「望みは薄そうだね、ミミ」
「まともな人がこの家に来たら、この家の色に染まっちゃうのかしら?」
「わあそれは面白そう。ぜひその変化を見たいわ」

 実験大好き魔術師である父にもっとも似ている双子は、顔を見合わせてうふふと笑った。

 二階から、ふいに爆発音が鳴る。

「ああ、お父さんったら失敗させてるわ」
「いいえ、あれは成功なのよ。だってお父様、爆発すると喜ぶもの」

 天井を見上げながら、のほほんと双子は言う。ヴァイスとモラとソラは爆発音を完全にスルーした。いつものことすぎたのだ。

 今ごろ巫女アルテナは悪寒と頭痛に襲われ寝込んでいるかもしれない。そんな会話が、今宵も続く……


(騎士と愉快な家族たち/終わり)
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