かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる

「葉月の全部を抱きつくす。おまえは俺のものだ」
 
 独占欲をあらわにする男らしい瑞希さんに、胸の高鳴りはとまらない。真剣な眼差しと頬を撫でる手のぬくもりに、胸の奥が苦しいほどキュウッとなる。

「ごめん。さっき優しくするって言ったが、無理かもしれない」
「はい。優しくする……つもりって言っていたので、大丈夫です。瑞希さんにお任せします」
「葉月、おまえ……。そんな可愛いことを言うと本気で抱きつぶすからな、覚悟しておけ」
 
 瑞希さんに真っすぐな瞳でそう言われ、私は小さく頷いてゆっくりと目を閉じる。そして瑞希さんはその宣言通り、一晩中私の身体を抱き続けた。





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