かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
幸せの代償

 深い眠りから目が覚めて、ぼんやりと辺りを見回す。疲れ果ててしまった脳と身体ではこれが現実なのかわからず、見慣れない天井を見上げた。
 
 ここって……どこ?
 
 いつも寝ているベッドとは明らかに違う気持ちのいい寝心地、私の身体を包み込む温かさ。何気なく顔を動かすと、直ぐ横に瑞希さんの顔があった。驚いてビクッと強張らせた身体は、瑞希さんの腕にしっかりと抱きしめられたままで、それ以上動くことができない。
 
 身動きひとつしない瑞希さんはまだぐっすり眠っているみたいで、それはそれでよかったとホッと息をついた。それでも瑞希さんのことが気になって、もう一度顔だけ動かし彼の寝顔を盗み見る。
 
 静かな寝息を立てて寝ている彼の顔をまじまじと眺めていると昨晩の数々の激しい情事を思い出され、慌てて大きく頭を振り甘い思考を吹き飛ばす。

 恥ずかしさと同時に湧き上がるのは、瑞希さんが思っていた以上に私を求めてくれたこと。そのことが嬉しくてたまらないのだ。


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