幸せの探し方
「どうでもいいって…」

「本当のことじゃないですか。

うぬぼれるならやめてください。

もう言うことがないんだったら、この話は終わりにしましょう」

話を切りあげたわたしに、門谷さんは何も言わなかった。

まあ、最初にこの話をしたのはわたしからである。

少し言い過ぎたような気もするけれど、本当のことを言っただけである。

門谷さんがどんな人生を歩もうが何があってそんな考えを持って行き着いた先がそこだったのかは、わたしからして見たら関係のない話である。

その後は館内の水槽を見て回ったり、イルカショーを見たり、おみやげコーナーを物色したり…と、門谷さんと一緒に水族館を楽しんだ。

一見したら、わたしと彼はデートをしているように見えるんだろうな。

実際は男女の仲にもなっていなければ、デートなのかどうかもわからないんだけど。
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