公然の秘密
「そうか、ならよかったよ。

じゃあ、俺はまだ買い物が残ってるから。

おばあさん、お先にどうぞ」

彼はおばあさんにレジへ行くように言うと、その場から離れたのだった。

(いい人だな…)

その後ろ姿を見送りながら、柚愛は呟いた。

それから20分ほどして、彼がレジへ戻ってきた。

カゴの中に入っていたのは鶏むね肉、ゴマ油、ポン酢、たまご、牛乳だった。

それらをレジに通しながら、柚愛は彼をチラリと観察した。

銀髪の短髪に精悍な顔立ちがとても印象的だ。

身長は少なく見ても180センチ近く…と言うところだろう。

グレーのスーツに黒のシャツがよく似合っていた。

「全部で2438円になります」

長財布は上質なものだと、素人目ではあるがわかった。
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