公然の秘密
尾関が風呂に入っている間、柚愛は小桃に電話をした。

「改めまして…お姉ちゃん、結婚おめでとう」

「ありがとう、小桃」

祝福の言葉をかけた小桃に柚愛はお礼を言った。

「結婚式は挙げないんだよね?」

「うん、身内だけで食事をすることにしたよ。

麗一さん、友達がいないそうだし」

「あー、なるほど」

「私も呼ぶ友達がそんなにいないし、いたとしても子供がまだ小さいからあれかな…なんて」

「そうだよね〜」

柚愛と小桃は笑いあった。

「それから…」

「んっ?」

柚愛は呼吸を整えると、
「ありがとうね、お母さんに急かすのはよくないって言ってくれて」
と、小桃にお礼を言った。

「お母さんから聞いたんだ…」

そう言った小桃に、
「この間、麗一さんと一緒に実家へあいさつに行った時に聞いたんだ」
と、柚愛は答えた。
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