公然の秘密
「って、うわああっ!?」

「…俺は熊か」

振り返ったら尾関がいたので驚いたら、彼は不服そうに返した。

「えっと…もしかしなくても、聞いてました?」

「聞いてたって言ったらどうするんだ?」

「ですよね…」

隠すのは愚か、ごまかすのも無理だと思った。

「それで?」

尾関はソファーに腰を下ろすと聞いてきた。

「えっ?」

「柚愛は俺にいろいろと聞きたいことがあるんだろ?」

自分の口から直接言えと言うことらしい。

「まあ、その…」

柚愛は口を閉じると、
「ーー私と結婚してよかったですか?」
と、尾関に聞いた。

「そりゃ、よかったに決まってるだろ」

尾関は柚愛の質問に答えた。

「後悔は、してないですか?」

「してない」

すぐに質問に答えた。
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