公然の秘密
尾関は柚愛の膝のうえで眠っていた。

(目を覚ますまでここにいるか…)

泣きつかれて眠ったその顔を見ながら柚愛は思った。

時計に視線を向けると、日づけが変わっていた。

(何か…すごい1日だったな…)

昨日1日の自分は何をしていたのだろうかと振り返ったけれど、特に何もしていなかったなと思った。

尾関は大丈夫だろうかと頭の中はそればかりだった。

この時間だからなのか彼の顔を見て安心したからなのかはよくわからないが、眠気が襲ってきた。

柚愛はあくびをした。

(あっ、そう言えばご飯も食べていなければお風呂にも入っていないな…。

まあ、いいか…今日はどこにも行っていないし、目を覚ましたらまずはお風呂に入ろう…)

そう思った柚愛は目を閉じた。
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