公然の秘密
「あの、ご職業は…?」

そう聞いた柚愛に、
「音楽プロデューサーだ」

尾関は答えると、胸ポケットから名刺入れを取り出した。

そこから名刺を取り出すと、柚愛に渡した。

名刺には先ほど言った彼の肩書きと名前が印刷されていた。

「尾関…えーっと…」

「尾関麗一(オゼキレイイチ)、それが俺の名前だ」

名刺に書いてある名前を読むことができないでいたら、尾関が言った。

「“麗一”さんって、言うんですか?」

「珍しい名前だろ?

好きなマンガの登場人物から俺の名前がつけられたらしい」

「へえ、そうなんですか」

柚愛はその名前を見つめた。

「そう言えば…あんたの名前って何だっけ?」

「えっ…」

質問を投げかけてきた尾関に、柚愛の目が点になった。
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