公然の秘密
唇が離れると、
「もう少しだけ、俺につきあってくれないか?」
と、尾関は言った。

それに対して柚愛は微笑むと、
「あなたが望むならば、いつまでも」
と、言い返した。

尾関はフフッと笑うと、また唇を重ねてきた。

その背中に両手を回したら、くちづけは深くなった。

子供は、男の子と女の子のどっちなのだろうか?

(男の子でも女の子でも、麗一さんはどっちもかわいがりそうだな…)

彼の熱を感じながら、柚愛はそんなことを思った。

夜はまだ長い。

深くて甘い、彼との長い夜はまだこれからだ。

「ーー何を考えてたんだよ?」

尾関に聞かれて、
「ーー麗一さんは男の子と女の子、どっちが欲しいのかなって思ってた」
と、柚愛は正直に答えた。

それに対して、尾関はフッと笑った。
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