公然の秘密
尾関に腕枕をされながら、柚愛は心地よい疲れを感じていた。

「柚愛、つらくないか?」

そう聞いてきた尾関に、
「つらくないよ」

柚愛は首を横に振って答えた。

「その…いつか、前にも言ったと思うけど…子供と言うものは、授かりものだと思っているんだ」

「うん」

「1年くらいは焦らずにお互いのペースでやらないかと思っているんだ」

「そう」

「それに、もう少しだけ言うならば…」

尾関はそこで言葉を区切ると、
「柚愛と過ごしている2人だけの時間を後少しだけ楽しんでいたい」
と、言った。

「始まりが始まりだったから、もう少しだけ柚愛のことを知る時間が欲しいんだ」

「麗一さん…」

尾関は柚愛と見つめあうと、唇を重ねた。
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