公然の秘密
尾関と友達になった数日後、柚愛はソワソワしていた。

特に何もないのに冷蔵庫を開けたり閉めたり、リビングをウロウロしたりと、柚愛は落ち着かなかった。

時計が午後2時を過ぎたその瞬間、テーブルのうえに置いていたスマートフォンが鳴った。

母親からである。

柚愛は気持ちを落ち着かせるために深呼吸を繰り返すと、画面を指でタップした。

スマートフォンを耳に当てると、
「もしもし?」
と、呼びかけた。

「生まれたわよ!

3000グラムの女の子が生まれたって!」

電話越しの母親は大喜びだった。

「本当!?

よかった~!」

柚愛は声をあげると、ヘナヘナとその場に座り込んだ。

今朝に妹が産気づいて病院に向かったと言う連絡を受けてから、ずっと気が休まらなかったのだ。
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