公然の秘密
「何かずーっと浮かない顔してたからどうしてたのかと思ってちょっと心配してたんだ。

またこの間みたいに変な客に絡まれたのかなと思ってたし」

「ああ、うん…」

自分を家にあげたのは、悩みを聞くためだったのだろうか?

「何かあったんだったらさ、いつでも相談していいから」

「えっ?」

「愚痴を言いたいだけだったら言いにきてもいいし、話を聞いて欲しかったら聞くし、悩みとかあるんだったらできる限りのアドバイスはするし…まあ、何かあったら」

尾関はグッと立てた親指を自分に見せてきた。

「い、いいんですか?

尾関さんにも都合とかあるんじゃ…?」

そう言った柚愛に、
「何を言ってるんだよ」
と、尾関は言い返した。

「俺たちは友達だろ?」

そう言った尾関に、柚愛はグッと親指を立てた
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