The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
社会人咲良、ここは穏やかにやんわり行くのよ。
相手の気を悪くせず、かつ、この場を切り抜ける為には…
「…クラウス、あと5秒以内にその手を退けなければ殴るよ。その綺麗な顔の真ん中にある綺麗なお鼻をへし折る勢いで」
違う。これじゃない。
微笑んでいる私から発せられる冷たい声に私は心の中で頭を抱えた。
本当はこんな脅すようなことは言いたくなかった。
これから良好な関係を気づかなければならない相手に。
反射的に出てしまった脅しだった。
「それは嫌だなぁ」
私の笑顔の脅しにクラウスはヘラヘラと気にした様子もなく笑いすぐにその手を退けた。
意外と相手が本気で嫌がることは続けないタイプのようだ。
「さ、気を取り直して。お酒飲もっか。咲良はお酒は飲める方?」
「んー、普通かな。あー、でも苦いのは苦手」
「なるほど。じゃあこれ何かはどうかな?」
にっこりと笑うクラウスが私におすすめのお酒を教えてくれる。
私はクラウスに勧められたお酒をとりあえず呑むことにした。