The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「…五男のバッカス・ハワードだ。よろしく」
最後に口を開いたのはバッカスと名乗る男だった。必要最低限のことしか口にせずさらには無表情な彼は正直ヘンリー並みに何を考えているのかよくわからない。
赤茶色の短髪に瞳の色は深いターコイズブルー。つまり青でその瞳にはあまり感情を感じられない。
他の兄弟と同じように整った顔立ちをしていた。
ギャレット、クラウス、バッカス、共に大学生から高校生に見える見てくれで私やエドガーよりは年下に見えた。
つまり私がこれから〝良好な関係を築かなければならない特級悪魔の兄弟〟とはこの5人の美形のことであった。
挨拶だけでも癖しか感じないのだが。
不安しかない。
「これからこちらでお世話になります。桐堂咲良と申します。どうぞよろしくお願いします」
不安な気持ちを抑えながらも私はヘンリーとした挨拶のように機械的に笑顔で挨拶をした。