世界で一番大好きです。

あぁ...絶対そうだ。


あの時、トラックに引かれて死んだ人達の娘だ。


言わねーと...お前の両親は、俺が殺したんだって...。



『花園里菜です。私は声を出せないので、話すときはこのノートに書いて話します。よろしくお願いします。』



言え、なかった...


言えるわけがなかった。


俺のせいで苦しんで、声まで出なくなって、どれだけ辛い思いをしてきたのだろう...。


考えただけで胸が痛んだ。


ごめん...ごめんな...。


謝ったって、過去は変えられない。


だから、里菜とたくさんの思い出を作ろうと思った。


里菜が楽しんでくれる度、あの笑顔を見る度、自分の罪が許された気がして、俺まで楽しんでしまって、いつの間にか、好きに...なってた。


愛しいと思うようになった。


恋人になりたいとか、そんなことは望まないから、せめて、隣にいたい。


自分の罪をすっかり忘れて、そう思ってしまったんだ。


そのせいで、里菜を苦しめるとも知らずに。


俺は、里菜にとって一番の友達になっていたことだろう。


だからあの時――俺が殺したと自白した時、里菜は泣いた。
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