年上同期から恋人へのロード
★彼女の本当の姿 ~隼人★

「この接待伝票の内容、もう少し教えていただけますか。金額がかなり大きいので」
営業部の横にある休憩室に入ってきた牧瀬が、小さな声で話していた。
営業部の先輩に問い合わせに来ていたのだ。

「これくらいそっちで上手く処理して、経費で落としてくれたらいいだろ。俺達は汗水たらして、顧客に頭下げて君たちの分の給与を稼いでいるんだ。君のように冷暖房の効いた場所で給料がもらえるのは、俺達現場のおかげで、俺らを支えるのが君の仕事だろ」

「それは十分に理解をしていますし、感謝しています。ですので私達管理部は、支える立場としてできることをしています。接待も必要経費とわかっていますが、きちんと把握することも会社を守るためです」

「あぁー、もうわかった。堅いよな。内容書いて再提出するから、貸して」
営業部の先輩は、彼女の手から奪うように書類を取り上げ、
「笹田さんみたいに可愛く頼まれたら、素直に聞くけどね」
と捨てゼリフを言いながら歩いていった。

牧瀬は、ふーっと一息吐いて歩いていった。
「あいつ、強っ」
と思いながら、会議資料を席に取りに戻り、会議室に向かっていた。会議室に行くまでの倉庫の入り口が少し開いていた。
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