想定外恋愛
「コウくん、ありがとね。」
携帯を手にした優月がこっちに戻って来た。
「あー、うん....」
拾ったものを無理やりズボンのポケットに突っ込んだ。
「もう帰らなきゃだよね?」
「そうだな.....。」
確かに用は済んだ。後は金を用意するだけだ。
「手術の日ってもう決まってんの?」
「うん、再来週.....。」
「そっか....。」
重苦しい空気に耐えられなくなって玄関に向かう。
「じゃあまた、」
優月の顔を見ずに部屋を出た。