今日も彼女に振り回されてる。



小さい頃はこんな顔で笑わなかったのに。


李衣は変わらない…ずっと小さい頃のままだと思っていたのは間違いだったのだろうか。

ちょっと可愛いな、だなんて。





「大人っぽくなったな」


溢れた言葉。


……一瞬の間。


李衣の反応がない。
あれ、なんかまずったか?俺?



「……こーたろ、おじさんみたい。きもい」


はあああ?


お、おじさん?


「1つしか歳違わないわ!」


怒る俺をみてケラケラと、悪戯っ子みたいに笑う李衣。

……覚えてろ。



「安心しろ、こーたろおじさんは李衣みたいな色気のない奴には興味ないですよ」


「なっ、李衣モテるんだからね!」



李衣が一定の層の奴らに刺さるのは知ってる。


俺に対してはこんな感じだけど、基本的には人見知りで臆病で。


親友みたいな仲の友達が欲しくて、ちょっと仲良くなると直ぐに依存して。


一時ぐぐっと急接近するけど、すぐにつまらないことで仲違いする。




なんていうか……放って置けない感じ?


女受けは抜群に悪いが、男の中にはこう言うのが好きな奴も居るんだろう。




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