一番好きなのは、キミだから

◇おまじないとクッキー




あのあと、中条さんと別れたあたしはひとり、グラウンドへとやって来た。


先月、初めてサッカー部の練習を見に来たときのように、グラウンドはファンの女の子でいっぱいだった。

いつもほんと、サッカー部はすごい人気だな。


あたしは女の子たちをかき分け、なんとか一番前まで行く。あたしの身長は、ギリギリ150cmだから。前のほうでないと見えにくいんだよね。


お目当ての真宙くんは……いた!


ちょうど真宙くんがパスを受けて、ドリブルをしているところだ。


ああ、部活中の真宙くん。今日も一段とかっこいい。

あたしは彼に、一瞬で釘付けになる。


汗を拭う真宙くん。

一生懸命に走る真宙くん。

パスをする真宙くん。


どんな真宙くんも、たまらず好きだと思った。


「頑張れ……! 真宙くん」


楽しそうにサッカーをするあなたを、ずっと見ていたい。



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