一番好きなのは、キミだから
公園の屋根のあるベンチで、真宙くんとふたりきり。
雨が激しく降っているからか、当然辺りには誰もいない。
他に人がいなくて良かったけど……。
真宙くんとの間にはいつの間にか隙間なんてないくらい、互いの身体がピッタリとくっついている。
どうしよう。真宙くんの温もりを、ダイレクトに感じて……。
あたし今、尋常じゃないくらいドキドキしてる。
「ねぇ。七星ちゃんは俺と、こういうことするの……イヤ?」
ううん、イヤなんかじゃない。
あたしは、首を繰り返し横にふる。
「無理してない?」
「全然。いつも以上にドキドキはするけど、真宙くんをそばで感じられて嬉しいよ」
これは、本当の気持ち。
あたしは、真宙くんに微笑んでみせる。
「良かった。だけど、七星ちゃんにそんなふうに言われたら……俺、やばいんだけど」
真宙くんが、あたしを抱きしめる手に力を込める。
「後ろから抱きしめてたら……七星ちゃんの顔見えない。ねぇ、こっち向いて?」