一番好きなのは、キミだから
───あれから家に帰ってきた俺は、自分の部屋のベッドに寝転んでいた。
しかし、中条にもらったこのホワイトチョコ、どうすっかなぁ。
「……ねぇ、お兄ちゃん!」
『もし嫌なら捨ててくれて構わないから』って、中条は言ってたけれど。
中条の俺への気持ちと、せっかくもらったチョコを粗末にはできないしなぁ。
中条からもらったチョコを食べずに、家まで持って帰ってきたのは良いが……。
「ねぇ、お兄ちゃんってば!!」
いきなり妹の奈紗の声が聞こえて、俺はハッとした。
「なんだ、奈紗。いたのか」
「ママが夕飯できたから来てって。どうしたの? さっきからずっと、箱を見つめたままボーッとして」
「ああ……」