一番好きなのは、キミだから



───あれから家に帰ってきた俺は、自分の部屋のベッドに寝転んでいた。


しかし、中条にもらったこのホワイトチョコ、どうすっかなぁ。


「……ねぇ、お兄ちゃん!」


『もし嫌なら捨ててくれて構わないから』って、中条は言ってたけれど。


中条の俺への気持ちと、せっかくもらったチョコを粗末にはできないしなぁ。


中条からもらったチョコを食べずに、家まで持って帰ってきたのは良いが……。


「ねぇ、お兄ちゃんってば!!」


いきなり妹の奈紗の声が聞こえて、俺はハッとした。


「なんだ、奈紗。いたのか」


「ママが夕飯できたから来てって。どうしたの? さっきからずっと、箱を見つめたままボーッとして」


「ああ……」



< 176 / 248 >

この作品をシェア

pagetop