一番好きなのは、キミだから



ずっと好きだった真宙くんと、恋人同士になれて。


こうして今、ふたり並んで一緒にレモンパイを食べている。


「美味しいね」と、ふたりで言い合って。


そしてお互い、笑顔になって。


以前、家でひとりでチョコレートケーキを食べていたときよりも、すごくすごく幸せ。


嬉しさも美味しさも……真宙くんとなら2倍だね。


あたしと真宙くんが、再び見つめ合う。


「七星ちゃん。もしこの先、今日みたいにお客に言い寄られたり、何か嫌なこととかあったら、真っ先に俺に言って? もう、七星ちゃんの悲しむ顔は見たくないんだ」


真宙くんが、辛そうな顔をする。


「あの森山って客に、後ろからつけられたりして。今までひとりで怖かったよね。ごめん」


真宙くんが、あたしの背中を優しくぽんぽんと叩いてくれる。


「これからは、俺が七星ちゃんを守るから……何があっても必ず」



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