一番好きなのは、キミだから



「ありがとう、真宙くん」


真宙くんに背中をぽんぽんとされると、落ち着く。


「できれば、これからはお互いに何でも話して。嬉しいことは、2倍にして。悲しいことは、半分に分け合おう」


「うん。そうだね」


勘違いして、もうすれ違ったりしたくないから。


言いたいことは、ちゃんと言い合って。

お互いをきちんと思い合える、そんな仲の良い恋人同士になれたら良いな……。


「ねぇ、七星ちゃん……キスして良い?」


熱を帯びた瞳と、甘い声で囁くように問われる。


そして、いつの日かと同じ真宙くんの台詞にあたしの胸がドキドキと高鳴る。


「前みたいに、髪の毛や鼻先じゃなくて。俺、七星ちゃんの唇が欲しい」

「いい、よ」


真宙くんが、ゆっくりと顔を近づけてくる。


あたしが目を閉じると、そのまま唇に触れるだけの優しいキスを落とされた。


オレンジ色に染まる空の下。


誰もいないふたりきりの公園で、真宙くんと交わした甘いキスを……

そして、今日という特別な日をあたしはたぶん、ずっと忘れない───。



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