一番好きなのは、キミだから
「うん、いいよ。この本はね……」
それから七星ちゃんは、俺にも小説のタイトルを教えてくれた。
昨年、恋愛小説のコンテストで大賞を受賞した作品らしい。
高校生から付き合い始めたカップルの、10年間の純愛物語なんだとか。
「へぇ。俺も、読んでみたいな」
「真宙くん、興味あるの? 良かったら、本貸そうか?」
「ありがとう。でも一度、本屋さんで見てみるよ」
七星ちゃんと同じ本を、手元に欲しいな……なんて。そんなことを言ったら、嫌がられるかな?
「あ、そうだ。七星ちゃん、これ……」