一番好きなのは、キミだから
なんだ、そうだったんだ。
良かった。俺のせいじゃなくて。
七星ちゃんに、何か嫌なこととかがあって泣いてたんじゃなくて。
「七星それ、何の本を読んでるの?」
古賀ちゃんが、七星ちゃんに尋ねる。
「はいはいっ! 俺も知りたい!」
古賀ちゃんに続いて、俺も勢いよく手を上げた。
「え?」
七星ちゃんが、ぽかんとする。
あ、やばい。つい……。
だけど、七星ちゃんが感動して泣いてしまうほどの小説が何なのか、俺も知りたいと思ったから。
「七星ちゃん、俺にも教えてくれない?」